<それでは今回も、書評も含め中野剛志先生の奇跡の経済教室【基礎編】にそって日本経済を論じていくぞ。本日のアジェンダは財政破綻についてだ!よろしくお願いいたします。
<よろしくお願いいたします。
前回:日本経済を成長させるにはどうすればよいのか!? 【奇跡の経済教室より 中】 - 哲人コンツェルト
前々回:日本経済の現状!衰退の原因とは? 【奇跡の経済教室より 上】 - 哲人コンツェルト
:登場人物紹介
中野剛志先生:秀逸なギャグを言うことがある。原則、書いてないこと言ってないことは書かない。
代弁者:ブログ主の意見と気持ちを代弁する。今の気持ちは「ブログ書くのって疲れるんだね・・・」
今回も指摘事項ありましたらコメントの方によろしくお願いいたします。
似非プラトン:司会兼ツッコみ担当。
アホの人:ある意味、今回の主役。財政破綻論者。最近の口癖は「ハイパーインフレがくるぞー!!!みんな逃げろおおおおおおお!!!」
<今回は財政破綻論についてだ。「日本は財政破綻をしない」という事を皆に示さなきゃいけない、そういったある意味使命感があるから、とにかくここはまとめておきたい。しかし、その前に理解しておかないとならない点がある。「貨幣について」だ。
<お、そっちも解説してくれるのか?
<何でもかんでもなぁ、教えてもらおうとするんじゃねえよ!
本を読め!自分で調べろ!
<いやいや・・・まあ、それでもいいんだが・・・。実際に東洋経済とダイヤモンドオンラインに中野先生が投稿してくれてるのがわかりやすいから載せておくな。
ここで重要なのは「万年筆マネー」、信用創造というところだ、現代の貨幣体制ではお金を借りた瞬間に預金が生まれるんだ。ここの考え方を抑えておかないと、財政破綻論を信じ込まされてしまう。
異端の経済理論「MMT」を恐れてはいけない理由 | アメリカ | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
「コロナ恐慌」で国民が“どん底”に突き落とされないために、絶対に知っておくべきこと | 中野剛志さんに「MMTっておかしくないですか?」と聞いてみた | ダイヤモンド・オンライン
※ダイヤモンドオンラインの記事冒頭抜粋ーーーーーーーーーーーーーー
<貨幣の大半は銀行預金として存在しているんです。ここで質問です。どのお札にも「日本銀行券」と印刷されているように、紙幣は中央銀行(日本銀行)がつくっていますが、では、銀行預金(預金通貨)を創造しているのは誰だと思いますか?
――私たちが稼いだ現金を銀行に預けているのが「銀行預金」ですから、私たちが創造しているのでは?
中野 多くの人が直感的にそう思いますが、よく考えるとおかしいんです。たとえば、あなたが手元にある現金1万円を銀行に預けたら、預金は1万円増えるけれど、手元の現金は1万円減りますよね? つまり、あなたの総資金に増減はないわけですから、それを「創造」と言うことはできません。
――そう言われればそうですね……。では、誰が銀行預金を創造しているんですか?
中野 銀行です。実は、預金通貨は、銀行が「無」から創造しているんです。
――そんなバカな……。
中野 いえ、それが「事実」です。銀行が個人や企業に融資をしたときに、新たな銀行預金が生み出されるのです。
――いやいや。銀行は、私たちが預けた銀行預金を元手に融資しているんですよね? だから、銀行が創造しているわけではないでしょう。
中野 そう思っている人が多いですが、それも間違いです。実際には、銀行は預金を元手に貸出しを行うのではなく、貸出しによって預金という貨幣を創造しているのです。そして、借り手が債務を銀行に返済すると、預金通貨は消滅します。
たとえば、ある銀行が、借り手のA社の預金口座に1000万円を振り込む場合、それは銀行が保有する1000万円の現金をA社に渡すのではありません。単に、A社の預金口座に1000万円と記帳するだけなのです。そして、この融資されて通帳に記入された1000万円という預金通貨は、A社が返済すると消滅するわけです。
このようにして、銀行は、何もないところから、新たに1000万円の預金通貨を生み出すことができてしまうのです。これを「万年筆マネー」と言います。銀行員は融資をするときに、借り手の通帳に「1000万円」と万年筆で記入するだけだからです。いまであれば、キーボードで入力するので、「キーボード・マネー」とでも言うべきかもしれませんね。ともあれ、これは銀行で普通に行われている実務であり、これを「信用創造」と言うんです。
――そうなんですか……。銀行は、私たちが預けた預金を元手に融資していると思っていたので、とても驚きました。
※ダイヤモンドオンラインの記事冒頭抜粋ーーーーーーーーーーーーーー
<誰かが借りた瞬間に、お金というのは生まれているんだ。銀行は誰かの預金からお金を貸し出しているわけでは無いんだ。
なぜ、このような話をしたかというと、財政破綻論者の中には日本がいまだに金本位制だと思っている人がいるからだ。銀行が所持している金によって貨幣の価値を裏付けしていて、貨幣発行にはその金の量によって制限があると思っている。だから貨幣発行するとお金の裏付けがなくなり、ハイパーインフレになる。と、だがこれは貨幣とは何か?というところから勘違いをしている。もちろん民間の預金量によって貨幣の価値が裏付けされてるわけでもなく、民間の貯蓄で貸付量が決まるわけではありません。
<お前の言っていることが正しいとして、じゃあ、ハイパーインフレになったら責任取れよぉ!?
小学生かよ・・・。
(ぶっちゃけ、長期デフレの責任をまず取って、反省して欲しいんだが)
<民間の貯蓄の量が制約となって、国債発行、財政赤字が拡大できなくなるという事はあり得ません。また、通貨発行権を持つ政府についていえば、その返済能力には限界はありませんし、もちろん自国の通貨で国債を発行しているので債務不履行などありえません。通貨発行権を持つ以上、債務不履行などはあり得ない話なのです。
<え?それではいくらでも国債を発行し市場に貨幣を供給できるという事ですか?
<そんなバカな話があるか!!!国債は将来世代のツケなんだ!!
いつか返さなきゃならないんだ、だから税率を高くして返さなければならないんだ!!消費税も増税しなければならなかったんだ!!!
<国債の償還は税である必要はありません。永遠に財政破綻しない政府ならば、債務を完全に返済しきる必要もありません。国債の償還期限が来たら新規に国債を発行し、それで同額の国債を償還を行う「借り換え」を永久に行えばよいのです!!!!
<無限に貨幣発行できるというのか馬鹿野郎!!!!そんなことしたらハイパーインフレが起こるぞ!!!!!!これ以上国債を刷ったら政府の信任がなくなり金利が暴騰する可能性だってある!!
<もちろん財政赤字(国債発行)の制約はあります、それはインフレ率です。
・財政赤字の制約はインフレ率
・国債の暴騰はない、債務不履行に陥らないことを市場は気づいている
上記について解説していきます。
・財政赤字の制約はインフレ率
についてはそもそも、無限に国債を発行したり、無税国家にしてしまってはハイパーインフレになる可能性があるのは当たり前です。ゆえに、国債は発行にするにしてもインフレすぎないようにしなければなりません。しかし、今の日本はインフレどころかデフレなのです。デフレを脱却し、インフレ2~4パーセントになる程度まで財政赤字を拡大すればいい話なだけでしょう。
・国債の暴騰の可能性について
下図に国債発行額の推移と国債の金利の推移のグラフを載せておきます。
<こちらを見て頂いたらわかるように。政府債務が積みあがっていっているのに金利は下がっていっています。
<国債を発行すれば金利は暴騰するという反証は、もはや実体経済が証明しているのね。。。ちなみに釘を刺しておくと国債は政府の債券です
私たちの借金ではありません。国民の借金だとかうそぶいている人はただの事実誤認です。
<徐々にわかってきましたよ、財政破綻しない仕組みが。
<財政赤字をこれ以上増やしたらハイパーインフレになるぞー!!!!
<平成の日本は20年間もデフレだったのです。その日本でハイパーインフレを心配するというのは、どういう事でしょうか。20年間拒食症の患者に「これ以上、栄養を取ると過食症になる!」などと処方する医者がどこにいるのでしょうか。
<まあ、そんな奴の医師免許ははく奪して欲しいがな
<うーん、なるほど。国民や政治家は馬鹿だから財政赤字が拡大するとハイパーインフレになるまでやめられない、と思っているのですかね?
<国民を馬鹿にしたような見解を、よくもまあ平気な顔で言えるものです。これこそ財政民主主義の否定だと思います。
<今のGDPが550兆円だから、ハイパーインフレにするには大体550×1300(ハイパーインフレの定義は物価上昇率13万パーセント)かな、つまり715000兆(715京)の財政支出を行えばハイパーインフレになるな。
潜在GDPによるが、大体そんなもんだろ。
そんぐらい出したら流石にやばそう・・・、というのは普通の人間でもわかりそうだが、それすらコントロールできないと言っている人間がいたりするから怖いもんだ。
<誤解しないでおいてほしいんだが、借り換えなんてのは今までの日本でもやってきたし、今もやっている。というか海外でももちろん行っているんだ。
それほど当たり前のことなのに、それがおかしいという財政破綻論者には要注意だ。
財源は税収である必要はないことを理解できていたら、違和感なく聞けるであろう。
<今までの話をまとめると、日本の供給能力の2パーセントから4パーセントを上回る財政支出を行うことができるということなので、財源は日本の供給能力だ、と想像したらイメージしやすいかもしれないな。供給能力がなくなるとその分、財政支出も行えなくなる。
国民一人一人の経済活動が国の財産と言っても過言ではないかな。
<はっ!そんなこと言ってたらよぉ、コロナ禍の影響でお前らのいうところの国の財産ってやつが吹っ飛んじまうぜえええ!!!ざまあみろ!!
<至極その通り、粗利補償、休業補償なくしては極度なデフレに陥り倒産する企業や首を吊る人が後を絶たなくなるだろう。それは、財源の棄損でもあるんだ。。。だからアメリカやドイツをみならって、いやそれら以上でも構わない、財政支出をおこなって救済しろという人たちの意見は真っ当なんだ、倒産する前に、自殺する前に、スピーディにな。
<戦争・内戦・革命による破壊のせいで供給力が著しく失われた(一次大戦後のドイツ)とか、旧社会主義国が市場経済に移行する前に混乱が生じた(旧ソ連)とか、独裁政権のもと異常な経済政策が行われた(ジンバブエのムガベ政権)とか
そういった異常な例を引き合いに出してハイパーインフレを主張する人もいますが、それは平時の先進諸国ではまず起きません。
<日本は一応まだ先進国だし、社会主義国じゃないし、戦争してないし、独裁制じゃないもんなあ。
<日本に財政問題がある!と刷り込まれているからそういう反応しちゃう人たちもいるんだろうね。嘘をついてきた人たちやメディアの一部報道にも問題があるだろう。
<今更「財政危機の状態にない」と言っても納得できない人もいるかもしれませんね。それでは財政破綻させるにはどうしたらいいのか?という思考実験をしてみましょう。
その前に改めて、「財政破綻」とは何かというところを明らかにしておきましょう。
①政府が債務不履行に陥ること
②ハイパーインフレになること
③金利が急騰すること
上記です、これらについてどうしたらそうなるのかシナリオに沿って考えてみましょう。
①債務不履行シナリオ
<今のすべて円建ての国債を外貨建ての国債にして、現状の変動相場制を固定相場制に変えてしまうのです。そのうえで経常収支が大幅な赤字になるまで財政支出を行っていきます。すると外貨が不足してしまい外貨が足りなくなり外貨建ての国債の返済ができなくなってしまいます。これはギリシャと同じような現象ですね。
<日本の外貨準備高は世界でも二位だからな(最近中国に抜かされた)
そこまでやっても相当苦労しないと外貨はなくならないぞ。デフレの現在では財政支出も、発行しては燃やし、発行しては燃やしという意味が分からないことをしなければ、そこまで大幅な経常赤字にならないだろう。
<どちらにしろ今の日本の体制ではありえない、ということね。
(というか、デフォルトしたギリシャにすらGDPの伸び率が負けてる日本って一体・・・)
<今の体制を変更することなく、債務不履行になるシナリオがありますよ。それは政府が断固たる意志で「償還しません」と決めるのです。そうしたら債務が履行されないので債務不履行です。
<ハハハハ!そんなわけのわからないことするわけねえだろ!!!
<ハハハ!!!
②ハイパーインフレシナリオ
<まず無税国家にして、財政赤字をハイパーインフレになるまで拡大します。その時日銀は金利を決して上げてはいけません。これでハイパーインフレーションが起き続けます!!
<ハハハハ!そんなわけのわからないことするわけねえだろ!!!
(いやいや、ハイパーインフレがー!って叫んでたのはどこのどいつだよ!!)
<あとは自国の供給能力を徹底的に破壊するということを行えば、手っ取り早くハイパーインフレーションが起きますね。
<南海トラフ地震で東京が壊滅したら供給能力が極端になくなるからハイパーインフレが起きるかもな。そういった供給能力が極端に落ちることを予防するために公共投資等の財政支出を行っていないと、ハイパーインフレが起きてしまうということは抑えておきたい。あとは上にも挙げたが戦争や内乱をわざと起こしたらハイパーインフレになるだろう。
現状ではコロナ禍に乗じて「企業ぶっ潰し法案」なんて出したらハイパーインフレになるかもな。
<戦争になって占領されたらハイパーインフレになるうううううううう!!!
<いや、それは否定せんわ。
③金利暴騰シナリオ
<これは難しいです。政府は「財政破綻しました」と世界中にキャンペーンを行いまくり信認度を著しく下げる必要性があります。日銀は国債を一切買わずに、保有している国債を全部売りに出して国債の高騰に貢献したら、あり得ますかね。
<長期的にずっと低金利ですからね、日本は。一応他の国と比較した図を例として挙げておきますので参考にしてください。
引用:https://nekutaru.com/archives/long-term-interest-rate.html
<それつまり、このシナリオの上では金利が暴騰したら金利が暴騰するって前後関係のわけのわからんこと言うてるだけやからな。
<日銀が調整できますからね金利は、現在でも国債買いまくってるわけですし。
<よし!金利暴騰させたいから世界中にキャンペーンしてくるわ!!
(お前個人の力ではどうにもならんし、やめとけ・・・)
<以上、いろいろ説明してきましたが、そろそろここらへんで終わりたいと思います。続きの内容は本を購入してもらって読んでみてください。
中野先生ありがとうございました。
<今回は省いたところにも重要なところがたくさんありますので、是非とも買って読んでいただきたい。
奇跡の経済教室 【基礎知識編】(著:中野剛志)書評:
(星5つ)★★★★★
皆さん買って読んで見てみてください!!
今回は気合を入れて紹介しましたが、今一番日本国民に必要な経済観です。
わかりやすくてたまにユーモアなところがいいです。
一、二、五、八章を主に取り上げさせていただきました。
信用貨幣論のところも上手く理解できない場合は、買って理解されるのがおすすめでございます。
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